


2024.07.30
友愛の日
新会員 中村健治さん入会式
会員 足立一郎さんクラブ在籍20年表彰
会員スピーチ/ 林 永芳さん
会員スピーチ / 林 永芳さん
Well-being経営
先日、経営のセミナーに参加してきました。自社の組織を改革するためのセミナーです。その中におおきなテーマがひとつありました。最近、新聞にもよく出てくる言葉ですが、「人的資本経営」というテーマです。人的資源経営とは、人材を「資本」としてとらえ、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業の価値の向上を図ってゆこうという経営の考え方です。
いまさらというか、なんとも当たり前のことですが、人を労務費というコストで表現したりすると、人がいないほうが労務費を節約できて、いいのではないかと思ったり、ロボットとコスト比較してみたりするのですが、新たな付加価値を創り出すのは、人ですし、「金」や「物」があっても、結局、それを動かすのは人ですから、人こそ社会の中では中心のはずである。しかし、なかなかそうならないのは、私はひとつの原因があるように思っています。それなにかというと、「仕事」と「労働」を区別していないからだと私は昔から思っています。「労働」はいつかロボットに奪われるかも知れませんが、人が「仕事」するようには、まだAIやロボットにはできないと思います。「仕事」と「労働」の違いは、こんな表現でわかるでしょうか。
「仕事」には、目的や目標が含まれています。我々の仕事で言えば、「お客さまを10%増やそう」という仕事は、多岐にわたり、調べることやまとめること、ミーティングを重ねたり、マニュアルを書いたり、料理や店舗を直したりしなければなりません。その中には、目的を知らなくてもできる「労働」という「仕事」は存在します。こんな料理のつくり方を探してきてとか、インターネットで全国の中華料理の値段を調べてレポートにして、とか、この料理のマニュアルを書いて、などという「仕事」は10%のお客さまを増やそうという目的を知らなくてもできる「仕事」です。目的を意識しないでやる「仕事」を私は「労働」として、「仕事」と区別しています。お客さまを10%増やそうというのは、人の意志ですから、人がベースになっています。アルバイトに頼むにしても、目的を伝えて、だから、目的に添うように仕事をしてねと言うだけでアルバイトだって、「労働」から「仕事」に変わるかもしれません。また、仕事とは「課題」だと思っていますので、人が生活する上で、必要な課題を設定したり、仕事の「課題」を設定するのは、人しかできないことが多い。人のための課題だからです。だから仕事ができる人は新たな価値を生み出すことができるのだと思います。そういった意味で「仕事」ができる人は、世の中のいろいろなことを変えてゆける人であり、「金」や「物」資本ではなく「人的資本」としてとらえます。資本ですから、その資本が新しい付加価値を創造して、会社を改革してゆく原動力になりますよ。という事でした。
ただ、次にこういった人材資本が機能するには、人の精神が関係しているということです。人材が創造的に積極的に持続的にその力を発揮するには、「Well-being」という状態をつくらないといけないということでした。「Well-being」という言葉も近年いろいろなところで使われるようになりました。
「Well-being」とは、単に満足感が高いことだけではなく、「私は生きがいのある人生をおくって、常に善い状態にある」と持続的な感覚で幸福感を持つことです。瞬間的に感情的に「幸せ」と思う(Happiness)とは異なります。「持続的な幸福度」と言えます。
ということでした。
私もまったく同感です。仕事の中にも「生きがい」を見つけて、生き生きと「労働」ではなく、「仕事」をしている人と、「今日も仕事か」と否定的に仕事をしている人を比べれば、もちろん前者の方が、うんと創造的で付加価値の高い仕事が生まれる確率は高いと思います。
そして、そんな社員も必要ですが、何よりも経営者が「Well-being」な状態でなくてはなりませんね。